ジョシュ・ロック(Josh Rock)は北アイルランドのダーツ選手で、愛称は Rocky。2026年2月26日、地元ベルファストで初めてプレミアリーグのステージに立った彼は、1-5と負けがほぼ決まった試合の中で、地元の観客の前で9ダーツフィニッシュを決めました。試合後には「世界選手権で優勝したみたいだ」と語っています。あの夜に何があったのか、そして彼がどうやってそこまで来たのかをまとめます。
ジョシュ・ロックとは:16歳で学校を離れダーツ一本に
ジョシュ・ロックは2001年4月13日、北アイルランドのアントリム(Antrim)生まれ。バリーミーナ近くの村 ブローシェーン(Broughshane)に住んでいます。16歳で学校を離れ、ダーツに専念しました。飛躍の年は2022年。1月に予選会(Q-School)でPDCツアーカードを獲得し、11月にはPDC世界ユース選手権で優勝(決勝はネイサン・ガーヴァンに6-1)。同じ年のグランドスラム・オブ・ダーツでは、マイケル・ヴァン・ガーウェン相手にテレビ中継で初の9ダーツを決めています(試合は敗戦)。
2025年、北アイルランド代表でワールドカップ優勝
2025年のワールドカップ・オブ・ダーツでは、ベテランのダリル・ガーニー(Daryl Gurney)と組んで北アイルランド代表として出場。決勝でウェールズのゲルウィン・プライス、ジョニー・クレイトン組を10-9で下し、優勝しました。2026年1月には、世界トップ8人だけが毎週各都市を回って戦うプレミアリーグに初めて選ばれます。
2026年2月26日、ベルファストの SSE Arena
プレミアリーグ第4節の会場はベルファストの SSE Arena。ロックにとって地元で戦う初めての夜でした。準々決勝の相手はオランダのジャン・ファン・フェーン(Gian van Veen)。終始押し込まれ、1-5とリードされます。第7レグ、180を2本続けて残り141。そこからトリプル20、トリプル19、ダブル12。9本で上がり。会場が爆発しました。
逆転はならず、試合は2-6で敗戦。それでもプレミアリーグで9ダーツを決めた初の北アイルランド人選手となり、スポンサーのBetMGMから約3万ポンド相当の純金ダーツを贈られました。ベルファストではこれまでにもプレミアリーグの9ダーツが出ていて、そのひとつが2016年のエイドリアン・ルイス対ジェームス・ウェイド。ルイスの話はエイドリアン・ルイスの愛称 Jackpot の由来でどうぞ。
「世界選手権で優勝したみたいだ」:試合後のコメント
北アイルランドの新聞 News Letter は試合直後の言葉をこう伝えています。「世界選手権で優勝したみたいだ。でも実際は地元の観客の前で9ダーツを決めたんだ。もうめちゃくちゃだよ」。Sky Sports には「体がオーバードライブ状態で、葉っぱみたいに震えてる」と話しました。
よく誤解されるのですが、彼は「世界王者より上」とは言っていません。同じ記事で、北アイルランド代表でワールドカップを取ったときのほうがさらに上だけど、個人としてはこれは信じられない、と付け加えています。
負けたのに、なぜあんなに嬉しかったのか
9ダーツフィニッシュはダーツで最も難しいレグです。501点をわずか9本でゼロにし、1本もずれてはいけない。多くのプロがテレビの前で一生に数回あるかないか(歴史に残る9ダーツはこちらの記事で)。育った街で、家族や地元の人たちの前で決めたことは、リーグの1試合に勝つよりずっと大きな意味がありました。試合後、もう一生9ダーツが出なくても構わない、とまで言っています。
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